【エッセイ#09】 「スタインベック」

 愛犬チャーリーを連れたアメリカ一周の旅は4ヶ月に及んだ。キャンピングカー「ロシナンテ号」の名は、ドン・キホーテの愛馬からとったものだ。この旅で彼は、自分の素性は明かさず、出会う人々と気さくに語り合うことにしていた。


 ジョン・スタインベック(John Steinbeck)はカリフォルニアの農場でアルバイトをしながらスタンフォード大学で海洋生物学を学び、やがて作家として創作活動をはじめました。彼はアメリカ合衆国とアメリカ人を深く愛した作家でした。アメリカの精神を愛し、アメリカの問題点さえも愛していました。

 彼は言います。

「滅びる国の国民は、現実に寛大であり、未来を拒絶し、過去の偉大さと栄光に満足している。(中略)。陶酔感が薄れて寛容となり、苦悩がやわらいで鈍痛となる」。

 こうして自国を批判した彼はまた、アメリカの若者たちがこのような状態に満足せず、怒りを覚えて世の中に反抗している姿に将来の希望を持っていました。ありあまるエネルギーは、たとえそれが怒りであってさえも、これこそが移民たち祖先の精神であり、たとえエネルギーの使い方がネガティブであっても、エネルギーが枯渇していることに比べれば、そんなことは大した問題ではないというのです。

われわれは時に失敗し、誤った道をとり、新しく継続するために立ち止まり、腹を満たし、傷口をなめた。しかし絶対にあと戻りはしなかった。絶対に

「アメリカとアメリカ人」 深沢俊雄 訳 スタインベック全集16 大阪教育図書


 チャーリーとのアメリカ一周旅行を始めたとき、スタインベックは58歳でした。

私は、自分の国を知っていないことに気がついた。アメリカ作家として、アメリカについて書きながらも、記憶を頼りに仕事をしてきたわけで、その記憶の水源地ときたら、いびつで間違いだらけ。私はアメリカの言葉を耳にせず、草と木とドブの匂いをかがず、丘と水を見ず、大気の色と光を目にしていなかった。ただ本と新聞から変遷を知ったにすぎない。それどころか、二五年間もアメリカに触れず、アメリカを感じていなかった。要するに、私は自分の知らないことを書いてきたのだ。ものを書く人間として、これは犯罪的行為にちがいない

「チャーリーとの旅」大前正臣訳、サイマル出版会

 これはアメリカを見直す旅でした。作家としての自分の現状に対する怒りであり、新たな挑戦でもあったのです。旅先で彼は様々な人たちと出会い、友達になっていきます。ノーベル文学賞を取る前でしたが、すでにアメリカを代表する作家であった彼は、素性を隠し、ひとりの旅人として人々と接しています。迷った振りをして道を聞き、それをきっかけに会話をかわしたり、わざとチャーリーを民家に放し、犬が迷惑をかけて申し訳ないとあやまりに入っていくなど、人との出会いのためのきっかけ作りにアタマをひねったそうです。

 こうした経験のなかから得られた知恵は、人は第一印象で判断してはいけないというものでした。

「見た目が無愛想な男でも、話してみると親切で実にいいヤツであることがある。自分のなかだけで人を決めつけてはいけない」。


 スタインベックは民衆が好きでした。だからアメリカの民衆を自分の目で確かめたかったのです。アメリカ独立宣言の中の「民衆」、リンカーン大統領が唱えた「民衆」。民衆こそが、本物の民主主義国家アメリカをつくったのだから。




「17 Miles Drive」

 サンフランシスコへ旅行にいったときにでも、ちょっと時間を作ってサリナスまで足をのばしてみてください。映画「エデンの東」で観たレタス畑が今でもそこに広がっています。主人公キャルを演じたジェームス・ディーンは、ここからハイウエイをさらに2時間ほど南に下たところで自動車事故を起こして亡くなりました。1955年9月30日のことです。いまでも道の脇に、彼の名前がかかれたモニュメントをみつけることができます。

 サリナスから海を目指してドライブを続けると、半島の付け根にモントレー(Monterey)があります。モントレー水族館のまわりの海では、いつもラッコやアザラシが気持ちよさそうに昼寝をしています。

 さらにパシフィックグローブ(Pacific Grove)を抜けアシロマー(Asilomar)に出ると、17 Mailes Driveの入り口があります。静かな住宅街と海沿いを走るこの有料道路は、ペブルビーチゴルフコース(Pebble Beach Golf Club)へと続きます。途中、クルマを停めて砂浜のボードウォークを散歩するのもいいでしょう。冷たい風が海の潮を巻き上げ、遠くの海岸線がかすんで見える砂浜を、朝夕には犬を連れた人たちがのんびりと散歩を楽しんでいます。

 半島の反対側にはカーメル(Carmel)があります。芸術家が多く住むこの街の急な坂道の両脇には、小さな画廊や土産物屋が並んでいます。坂を一番下まで下ると、そこは真っ白な砂浜。クリント・イーストウッドがかつて市長を務めたこの美しい町を、チャンスがあったらぜひ一度訪れてみてください。




 ★ Website

モントレー半島の生活・観光情報サイト

 モントレー周辺の観光ガイド。写真もたくさん見られます(「特集」と書いてあるプルダウンメニューの中のImage Tourにあります)。観光のモデルプランもあります。

 ★ DVD

エデンの東 [DVD]」 

 ジョン・スタインベック原作の映画「エデンの東」。
 主演:ジェームス・ディーン 監督:エリア・カザン



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2009/11/21(土) | 【エッセイ】 | トラックバック(0) | コメント(0)

★ 節約効果抜群! ソファーカバー

 アメリカの新居に家具を揃えてみたものの、中古で安く買い叩いたソファーが古くて見苦しいとか、カバーの色やデザインが気に入らない、なぁ〜んてことはありませんか?

 それに、長く使っているとひじ掛けやクッションに汚れが目だってすり減って、クリーニングもままならず、もぉ本当に嫌っ。ソファーやダイニングの椅子をいっそ丸ごと買い替えたくなるものです。


 そんな時にお勧めしたいのがソファーカーバーです。ほんの数十ドルから100ドル前後のお買い物でソファーは新品同様。大物家具を買い代えなくても、気分や季節にあわせて思いきった模様替えが簡単にできます。部屋の印象が見違えるほど変わりますよ。


 早速、ソファーカバーなどのオンライン/カタログショップ「Sure Fit」などなどの品揃えをチェックしてみましょう。
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 カバーだったら、取り外して洗濯できるものも嬉しいですよね。ホリデーシーズンを前に、お部屋を格好良く模様替えしてみませんか?


☆ 最初にアメリカに到着した時に、ムービングセールでとても年代物の、とても座り心地の良い、とっても見苦しく汚いソファーをたった$10で買いました。

 大きくてかさ張るので引越の際に人に譲ってしまいましたが、惜しかったなぁ。カバー1枚で若返って、見映えの良い高級ソファーに生まれ変わったはずなのに…。



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2009/11/20(金) | 住まい・インテリア | トラックバック(0) | コメント(0)

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