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【エッセイ#03】 「オズ」

 「オズの魔法使い」(The Wonderful Wizard of Oz)の原作者、ライマン・フランク・ボーム(Lyman Frank Baum)は、オンタリオ湖の近く、ニューヨーク州のある小さな町に生まれた。1856年のことだ。生まれつき心臓が弱く、学校へも通えなかったライマンは、しかし演劇や文章を書くことが大好きだったという。若い頃はニューヨークで新聞記者として働き、ペンシルバニアでは自ら新聞を発行するなど、ジャーナリズムの世界で生きていこうとした。ところが彼の本当の興味は演劇にあったようだ。20代の頃からシェイクスピアを演じる劇団に参加、舞台に立ちながら演出もこなした。そして26才のとき、彼が書いた演劇「The Maid of Arran」が上演された。

 ライマンの父は石油事業で一財産を築いた資産家だったが、ライマン自身の人生は財政的に決して楽なものではなかった。結婚し子供ができると、職を求めてシカゴへ移る。そこで劇場や雑貨店の経営、雑誌の編集・発行などの仕事をしたが、あまりうまくはいかなかったらしい。


 1900年、ライマンの書いた「オズの魔法使い」が大ヒットした。44歳の時だ。それは新しい童話だった。むやみに子供達を怖がらせて教訓を教え込むような話ではなく、純粋に楽しめる童話。アメリカで生まれた新しいおとぎ話だった。

 「オズの魔法使い」の序文で、ライマンは「グリムやアンデルセンは歴史上の童話になりつつある・・・」と言っている。もう過去のものだということだろう。

 その後、ミュージカルや映画にもなった「オズ」は、今ではアメリカのスタンダードな童話として定着している。しかし文学的テクニックについての評価は低い。文章がシンプルでひねりもなにもないというのだ。子供達にとって、そんなことはどうでもいいことだったのだが。

 出版から30年あまりたった頃、アメリカの児童文学界でもっとも影響力があった人物の一存で、「オズの魔法使い」がニューヨークのすべての公共図書館から撤去された。理由はまったく明らかにされていない。その影響を受け、全米の図書館から「オズ」が姿を消し、まるで異端書のようにあつかわれるようになった。デトロイト図書館組合の会長は、「オズ」を撤去した理由を「くだらない内容の駄作」だからだと説明している。

 1960年以降、批評家達は突然「オズ」を評価するコメントを出し始めた。文章力や文学性は低いものの、心理学の面からみた「オズ」の意味や、「アメリカのフロンティア精神を表現している作品だ」など、その評価内容はこじつけのようなものばかりだったが、それでもそれをきっかけに「オズ」がアメリカの公共図書館に戻ってきた。


 30年以上にわたり異端書扱いされた「オズ」だが、子供達にはいつの時代も大人気だった。1900年の出版以来、ライマンの元には何万ものファンレターが届いた。その多くは「オズ」の続編を望むものだった。1904年、「オズの虹の国」(The Marvelous Land of Oz)を出版。ところがこの続編にはドロシーがでてこなかったものだから、寄せられるファンレターはライマンへの抗議の手紙に変わった。

 62才でこの世を去るまでにライマンが書いた「オズ」シリーズは全部で14編。「オズの虹の国」を除くすべての冒険にドロシーが登場している。彼の死後もさまざまな作家が「オズ」シリーズの続編を書き続け、今では40編もの「オズ」の冒険物語がある。ライマンの長男も1冊書いている。


 仕事を求めシカゴに移った頃のライマンは、子供を寝かしつけるために物語を創っては聞かせていた。ベットのなかで冒険物語を話すライマンに息子は聞いた。

  「それは、どこの国のお話なの?」

 その時、ライマンは部屋の隅にあるファイルキャビネットの引き出しを見ていた。一番上には「A-G」という整理用のラベルが貼ってある。二段目には「H-N」、そして3段目には「O-Z」とあった。




「図書館」

 アメリカ人は図書館が大好きです。小さな町にも公共図書館は必ずと言っていいほどあります。街の資産家や政治家が寄付をし、市民ボランティアが雑務をしているのがアメリカの図書館。亡くなられたレーガン元大統領が埋葬されたのもレーガン記念図書館・博物館(Ronald Reagan Presidential Library and Museum)、以前にご紹介したクリントン元大統領のレシピ集の売上も、クリントン大統領図書館(The Clinton Presidential Center)の建設費にあてられました。

 図書館の利用はもちろん無料。ただし延滞すると罰金が課せられます。映画のビデオやDVDを貸し出しているとこもろありますが、これは有料。それでも全米チェーンのレンタルビデオ屋、BLOCKBUSTERなどに比べれば格安です。館内には地方自治体や政府の情報提供コーナーがあるのが一般的。国勢調査のデータから、地元の学校、保育園の内部調査結果など、市民に役立つ情報が公開されています。

 入り口近くにはコンピューターが置いてあり、誰でも簡単に膨大な図書の中から目的の本を検索できます。日本の図書館ではコンピューターのキーボードを叩く音がうるさいと問題になっているという話を聞きました。なるほど、便利とはいえ、いろいろ不都合もあるものだなと思ったものです。アメリカではみんな自分の調べものに忙しいのか、誰もそんなことは気にしていないようです。もちろん、大声でおしゃべりする人はいませんが。




「オズの魔法使い」書籍いろいろ

 「オズの魔法使い」が売れたのは、デンスロー(W.W. Denslow)の挿絵があったからとも言われます。その後、ライマンとデンスローは著作権のことで不仲になり、結局デンスローが挿絵を描いたのは一作目の「オズの魔法使い」ただひとつだけでした。




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2009/10/10(土) | 【エッセイ】 | トラックバック(0) | コメント(0)

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